ブログ

BLOG

ブランドイメージを高める店舗什器製作|デザイナーとの協働ポイント

こんにちは。東京都中央区を拠点に、店舗の木工什器製作、設置、オーダー家具製作、内装工事を手がける有限会社ナカトです。石川県白山市に木材加工工場(木工所)を構え、主に関東圏・関西圏で活動しております。今回は、ブランドイメージを高める店舗什器製作において、デザイナーとの協働ポイントについてご紹介します。

店舗什器がブランドイメージに与える影響


店舗什器は単なる「商品を置くための台」ではありません。お客様の購買行動に直接影響を与え、ブランドの世界観を表現する重要な役割を担っています。適切な什器のデザインと配置によって、ブランドイメージを強化し、顧客に「また来たい」と思わせる魅力的な空間づくりが可能になります。
特に近年では、消費者の環境意識の高まりに伴い、サステナビリティに配慮された店舗づくりも注目を集めています。店舗什器もその例外ではなく、環境に配慮した素材選びや長期使用を前提とした耐久性のあるデザインが求められています。
 

什器が表現するブランドストーリー

優れた店舗什器は、ブランドが大切にしている価値観やストーリーを無言で語ります。例えば、ナチュラルな木の質感を活かした什器は、自然との調和や温かみを大切にするブランドイメージを強調します。一方、スチールやガラスを組み合わせた洗練された什器は、モダンで先進的なイメージを伝えることができます。
私たち有限会社ナカトでは、お客様のブランドストーリーを丁寧にヒアリングし、それを最適な形で表現する什器づくりを心がけています。素材選びから仕上げの細部に至るまで、ブランドの世界観を体現する什器を提案しています。
 

顧客体験を左右する什器の力

店舗での顧客体験は、什器の使いやすさや配置によって大きく左右されます。商品の見やすさ、取りやすさ、空間の回遊性など、顧客の購買行動を促進する要素を什器デザインに取り入れることで、売上向上にも貢献します。
例えば、アパレルショップでは、商品を美しく見せるだけでなく、サイズやカラーバリエーションが一目でわかるような陳列方法が重要です。また、飲食店では、快適な着座感や適切な高さのテーブル・カウンターが、顧客の滞在時間や満足度に直結します。
 

業態 什器がブランドイメージに与える影響
アパレル 商品の見せ方・触れやすさで高級感や親しみやすさを表現
飲食店 テーブル・カウンターの素材や形状で店の個性を強調
雑貨店 多様な商品を統一感のある什器で陳列し、セレクト眼を表現
書店 本を分類・陳列する什器で知的空間を演出
美容室 機能性とデザイン性を兼ね備えた什器でサロンの格調を表現

「参照:ANALOG Inc.」
 

デザイナーとの協働によるメリット

店舗什器製作において、デザイナーとの協働は非常に重要です。プロのデザイナーは、美的センスだけでなく、機能性や耐久性、製作コストなども考慮した総合的な視点で什器を設計します。また、最新のトレンドや効果的な商品陳列のノウハウも持ち合わせています。
 

プロフェッショナルの視点がもたらす価値

デザイナーは、店舗空間全体のバランスを考慮しながら什器をデザインします。壁面やフロア、照明との調和、お客様の動線、スタッフの作業効率など、多角的な視点から最適な什器を提案してくれます。
また、ブランドのターゲット層や競合店との差別化ポイントを踏まえたデザイン提案は、マーケティング面でも大きな価値をもたらします。消費者心理を理解したデザインは、無意識のうちに顧客の購買意欲を高める効果があります。
 

製作側とデザイナーの橋渡し役として

私たち有限会社ナカトは、デザイナーの創造的なアイデアを形にするパートナーとして、技術面からの提案やコスト調整などの橋渡し役も担っています。デザイン性と実現可能性のバランスを取りながら、理想的な什器を製作するためのサポートを行っています。
例えば、素材の特性や加工方法の知識を活かし、デザイン意図を損なわずにコストダウンできる代替案を提案したり、設置現場の条件に合わせた細部の調整を行ったりしています。

 

デザイナーとの協働を成功させるポイント

店舗什器製作でデザイナーと協働する際に、プロジェクトを成功させるためのポイントをご紹介します。明確なコミュニケーションと相互理解が、理想的な什器づくりの鍵となります。
 

プロジェクト初期段階での目標共有

プロジェクトの開始時点で、ブランドイメージや店舗コンセプト、ターゲット顧客像、予算、納期などの基本情報を明確に共有することが重要です。曖昧な指示は、後々の認識のずれやデザインの修正につながります。
私たちは初回打ち合わせの際、詳細なヒアリングシートを用意し、お客様のご要望を丁寧に聞き取ります。その情報をデザイナーと共有することで、プロジェクトの方向性を一致させます。
 

POINT
初回打ち合わせでは、以下の情報を明確にしましょう:
・ブランドの核となる価値観
・競合店との差別化ポイント
・店舗空間のゾーニング計画
・什器に求める機能性
・デザインの参考事例
・予算と納期の制約

 

視覚的なコミュニケーションツールの活用

言葉だけでのコミュニケーションには限界があります。イメージボード、スケッチ、3Dモデル、サンプル素材など、視覚的なツールを活用することで、デザインのイメージを正確に共有できます。
特に什器のようなプロダクトは、形状や素材感、色味などを言葉で表現するのが難しいため、参考画像や実物サンプルの活用が効果的です。デザイナーと製作者、お客様の三者が同じビジョンを持つことが、プロジェクト成功の鍵となります。
 

製作プロセスの透明性確保

什器製作の進行状況を定期的に共有し、デザイナーや顧客からのフィードバックを適切なタイミングで取り入れることが重要です。早期のフィードバックは、後の大幅な修正を防ぎ、時間とコストの節約につながります。
私たちは製作の各段階で写真や動画を共有し、必要に応じて中間確認の機会を設けています。また、製作工程表を事前に提示し、いつどのような判断や承認が必要になるかを明確にしています。
 

役割 デザイナーとの協働時の役割分担
デザイナー 空間全体のコンセプト設計、什器の形状・色・材質の検討、ブランドイメージとの整合性確保
什器製作者 実現可能性の検証、材料選定のアドバイス、製作コストの見積もり、製作工程の管理
店舗オーナー ブランドビジョンの共有、実務的な機能要件の提示、予算・納期の設定、最終承認
プロジェクトマネージャー スケジュール管理、各関係者間の調整、問題解決の促進、情報の一元管理

「参照:株式会社Too」
 

素材選びとデザインの調和


店舗什器の素材選びは、ブランドイメージを形作る重要な要素です。素材の特性を理解し、デザインコンセプトとの調和を図ることで、機能性と美しさを兼ね備えた什器が生まれます。
 

素材が伝えるブランドストーリー

木材の種類や仕上げ方法によって、伝わるイメージは大きく変わります。例えば、無垢材の素朴な質感は自然志向やオーガニックなブランドイメージに、塗装や加工を施した木材は洗練されたモダンなイメージに適しています。
当社では、国産材を中心に様々な木材を取り扱っており、それぞれの特性や表情を活かしたデザイン提案が可能です。また、木材とスチールやガラスなどの異素材を組み合わせることで、より豊かな表現も実現できます。
 

サステナビリティへの配慮

環境に配慮した素材選びや製作方法は、ブランドの社会的責任感を示す重要な要素となっています。FSC認証材の使用や、地域材の活用、長寿命設計などは、SDGsに取り組む企業のブランドイメージ向上に貢献します。
私たちは、素材の調達から製作、設置に至るまで環境負荷の低減に努め、お客様のサステナビリティへの取り組みをサポートしています。長く使い続けられる什器づくりは、資源の有効活用にもつながります。
 

木材の種類 伝わるイメージ
オーク 堅牢さと信頼性、伝統的な価値観
メープル 明るく清潔感のある雰囲気、親しみやすさ
ウォールナット 高級感と落ち着き、洗練された大人の雰囲気
チェリー 温かみと優しさ、時間とともに深まる風合い
杉・桧 和の趣、清々しさ、地域性や伝統

「参照:SHOP COPACK」
 

デザイナーとの効果的なコミュニケーション術

デザイナーとの協働を成功させるには、効果的なコミュニケーションが不可欠です。デザインの専門用語を理解し、建設的なフィードバックを行うことで、理想の什器づくりがスムーズに進みます。
 

デザイン提案への建設的なフィードバック

デザイン案に対してフィードバックを行う際には、単に「好き・嫌い」ではなく、具体的な理由や改善案を伝えることが重要です。「このデザインでは商品が見えにくい」「この棚の高さでは顧客が手を伸ばしにくい」といった機能面の指摘や、「ブランドカラーをもっと取り入れたい」といった明確な要望が建設的です。
また、デザイナーの専門性を尊重し、デザインの意図を理解しようとする姿勢も大切です。時には自分のイメージとは異なる提案が、実は顧客体験の向上や店舗運営の効率化につながることもあります。
 

プロジェクト管理ツールの活用

複数の関係者が関わるプロジェクトでは、情報共有と進捗管理のためのツール活用が効果的です。画像共有、ファイル管理、タスク管理、スケジュール管理などの機能を持つプロジェクト管理ツールを使うことで、コミュニケーションの齟齬を防ぎ、スムーズな協働が可能になります。
当社では、お客様やデザイナーとの情報共有にクラウドベースのプロジェクト管理ツールを活用し、デザイン案や製作過程の写真、スケジュールなどを一元管理しています。これにより、どの段階でも最新の情報にアクセスでき、迅速な意思決定が可能になります。
 

POINT
デザイナーとのコミュニケーションで避けるべき表現:
・「なんとなく違う気がする」
・「もっとおしゃれにして」
・「センスがない」
・「他店と同じような感じで」
代わりに使うべき表現:
・「このブランドカラーをもっと取り入れたい」
・「この部分は実用性を考えると高さ調整が必要」
・「参考にしたい事例はこちらです」
・「顧客層にアピールしたいのはこの価値観です」

 

成功事例から学ぶ協働のポイント

デザイナーと什器製作者の協働が実を結んだ成功事例から、効果的な協働のポイントを学ぶことができます。ここでは当社が手がけた事例をもとに、成功の秘訣をご紹介します。
 

アパレルショップの事例

セレクトショップの新規出店において、デザイナーと緊密に連携し、ブランドの世界観を表現した什器を製作しました。オーナーが掲げる「自然との調和」というコンセプトを具現化するため、国産の無垢材を使用し、自然の風合いを活かした仕上げを施しました。
プロジェクトの初期段階から製作チームとデザイナーが参加する合同ミーティングを重ね、デザインの意図と技術的な実現性のバランスを取りながら進めたことが成功の鍵となりました。また、サンプル素材や部分的なモックアップを作成し、質感や色味を事前に確認する工程を設けたことで、イメージのずれを未然に防ぐことができました。
 

カフェの事例

古民家を改装したカフェのプロジェクトでは、建物の歴史や風合いを尊重しながら、現代的な機能を持つカウンターや棚を製作しました。デザイナーの美的センスと当社の木工技術を融合させ、古材と新材を組み合わせた独自の表情を持つ什器が完成しました。
この事例では、現場での採寸と詳細な実測図面の作成が重要でした。古い建物特有の不規則な形状に合わせた什器製作には、製作者の経験と技術が求められます。デザイナーと製作チームが現場で直接打ち合わせを行い、実物の空間を確認しながらデザインを調整したことが、美しさと機能性を両立させる結果につながりました。

 

まとめ:ブランド価値を高める什器づくりのために

店舗什器は、ブランドの世界観を具現化し、顧客体験を左右する重要な要素です。デザイナーとの効果的な協働により、美しさと機能性を兼ね備えた、ブランド価値を高める什器づくりが可能になります。
本記事でご紹介した協働のポイントを実践することで、デザイナーと製作者、店舗オーナーの三者が一体となり、理想的な店舗空間を創り上げることができるでしょう。明確なコミュニケーション、視覚的なツールの活用、プロセスの透明性確保、そして各専門家の知見を尊重する姿勢が、プロジェクト成功の鍵となります。
私たち有限会社ナカトは、お客様のブランド価値を高める店舗什器の製作パートナーとして、デザイナーの創造的なビジョンを形にするお手伝いをしています。木工技術と経験を活かし、お客様とデザイナーの思いを実現する什器づくりに取り組んでいます。
店舗什器の製作や既存店舗のリニューアルをお考えの方は、ぜひお気軽にご相談ください。お客様のブランドに最適な什器づくりをサポートいたします。

────────────────────────
店舗什器・木工加工・内装工事は石川県の有限会社ナカト
〒924-0052  石川県白山市源兵島町199-14
電話:076-277-7147 FAX:076-277-7147
────────────────────────

関連記事一覧